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先天性股関節脱臼について

2018.03.10

先日、ラジオ放送で「先天性股関節脱臼」のお話をさせていただきました。以前にもお話しした内容ではあるのですが、近年この病気が見落とされることが増えているとの学会なので報告があり、再度お話させていただきます。
この先天性股関節脱臼は、赤ちゃんの足の付け根の股関節がはずれる病気です。最近では、先天的な要因を持つ赤ちゃんの発育環境によって生じることが多いため、発育性股関節形成不全とも呼ばれています。以前は国内出生時の100人に1〜2人の赤ちゃんに診られた病気なのですが、1970年代に始まった予防活動などによりその発生頻度は10分の1にまで減少しました。さらに近年の少子化もあり先天性股関節脱臼の全体数が減少しているため、最近では医師や保健師の認識が薄れ始め、その結果見逃されるケースも増えてきていると報告されています。
 脱臼と聞くと多くの方はスポーツ選手などが受傷する肩の脱臼を思い浮かべるかもしれません。とても痛そうにして腕が動かせない状態を想像するのではないでしょうか。それに対して先天性股関節脱臼は、赤ちゃんの股関節が十分に発育しない状態になり、その結果として脱臼が起きるので、赤ちゃんにとっては脱臼していることが異常とは思っていないので、痛がることや足を動かさないことはありません。そのために乳幼児健診にて異常が無いかをチェックするのです。
チェックするポイントは、股関節の開き具合です。股関節を90度に曲げて両脚を広げた時に、左右どちらかまたは両脚が床から20度以上浮いている状態だと、脚の開きが悪いとされます。また、太ももの内側や股の皮膚の溝の深さや数が左右対称かどうかもチェックされます。健診でいずれかの項目に異常があると、整形外科受診を勧められることになります。もちろんここで異常があるからと言って脱臼と診断されたわけではありませんが、なぜ脚の開きが悪いだけで整形外科に行かなければならないか分からなくて、受診が遅れてしまう事もあるので、整形外科受診を勧められたらなるべく早くに受診した方がいいですよ。